この町が、観客を目撃者に変えた。

映画『木挽町のあだ討ち』

2026 2/27 fri
江戸と歌舞伎とミステリー。
花びら
花びら
柄本佑 画像
渡辺謙 画像
映画『木挽町のあだ討ち』場面写真
映画『木挽町のあだ討ち』場面写真

INTRODUCTION

直木賞&山本周五郎賞
W受賞作品 待望の映画化

日本文学史上3作品目となるW受賞の快挙を果たした傑作小説『木挽町のあだ討ち』(永井紗耶子著)。時代小説の枠を超え多くの人々の心をとらえて離さないベストセラーが、ミステリーを縦糸に、人情を横糸に、スクリーン上で鮮やかに映し出される。

江戸で語り草となった仇討ちは、いかにして成されたのか。事の真相を探る田舎侍に、演技派・柄本佑。その謎の背後に見え隠れする黒幕に、名優・渡辺謙。一筋縄ではいかない両者の対峙から、映画ならではのダイナミズムがほとばしる。さらに、長尾謙杜、北村一輝、瀬戸康史、滝藤賢一、高橋和也、正名僕蔵、山口馬木也、沢口靖子ら日本映画界が誇る実力派キャストが集結し、“仇討ち”をめぐる人間味豊かで多種多様な群像ドラマを紡ぎ出す。

監督は、華麗な時代劇ドラマで数々の賞に輝く源孝志。彼が繰り出すオリジナルな映像美と、製作スタッフが総力を挙げて創り上げた江戸の舞台、さらにプロの監修によって再現された歌舞伎の息吹きと共に、物語は本格エンターテインメントへと昇華した。

STORY

文化七年(1810)一月十六日、江戸・木挽町。
歌舞伎の芝居小屋「森田座」では『仮名手本忠臣蔵』が大入満員で千穐楽を迎えていた。

その仇討ちは、舞台がはねた直後、森田座のすぐ近くで起きた。
芝居の客たちが立会人と化し見守る中、美濃遠山藩士・伊納菊之助(長尾謙杜)が、
父・清左衛門(山口馬木也)を殺害し逃亡していた男、
作兵衛(北村一輝)の首を見事、討ちとったのである。
雪の舞う夜、若き美男子が成し遂げたこの事件は
「木挽町の仇討ち」として、江戸の語り草となった。

それから一年半後、同じ遠山藩で、
菊之助の縁者を名乗る加瀬総一郎(柄本佑)が森田座を訪れる。
総一郎にとってこの仇討ちは、腑に落ちぬ点が幾つかあり、それを解明したいのだという。

あの心優しい菊之助が、
あんな大男の作兵衛をどうやって?
そもそも美濃しか知らない菊之助が、
どうやって江戸の森田座に辿り着いたのか?

早速、客の呼び込みをしている木戸芸者の一八(瀬戸康史)をつかまえる。
話を聴くと、どうやら菊之助は森田座の厄介になりながら、仇討ちの機会を窺っていたらしい。
立師の相良与三郎(滝藤賢一)、元・女形の衣裳方、芳澤ほたる(高橋和也)、小道具方の久蔵(正名僕蔵)、
その妻・お与根(イモトアヤコ)といった森田座の面々から次々に語られていく菊之助の素顔。
だが、森田座を取りまとめる重鎮、戯作者の篠田金治(渡辺謙)は生憎、上方に出張中。

どこか腑に落ちない。何か隠されている気がする。

そして金治が帰還し、ついに事件の日に起こった驚くべき真相が明かされる!
そこには芝居町らしいカラクリと、森田座の人々が織りなす心温まる粋な人情が秘められていた。

CAST

  • 長尾謙杜 伊納菊之助

  • 北村一輝 作兵衛

  • 瀬戸康史 一八

  • 滝藤賢一 相良与三郎

  • 高橋和也 芳澤ほたる

  • 正名僕蔵 久蔵

  • 山口馬木也 伊納清左衛門

  • 愛希れいか お三津

  • イモトアヤコ お与根

  • 野村周平 遠山安房守

  • 石橋蓮司 滝川主馬

  • 沢口靖子 伊納たえ

STAFF

原作永井紗耶子

原作:永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮文庫刊)
  • 第169回直木三十五賞
  • 第36回山本周五郎賞
  • 「ミステリが読みたい!」2024年版 国内篇(4位)
  • 「このミステリーがすごい!」2024年版 国内編(6位)
  • 「週刊文春ミステリーベスト10」2023年版 国内部門(8位)
  • 「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」(5位)
原作:永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮文庫刊)
  • 監督・脚本源 孝志